2010年05月20日

一度建てれば30年間縛られる−特養・個室ユニットの行方(2)(医療介護CBニュース)

 自治体が多床室を併設する流れに対抗して、個室ユニットを推進してきたNPO法人地域ケア政策ネットワーク(代表=大森彌・東大名誉教授)は、今年3月14日にシンポジウム「生活の場へのチャレンジ―高齢者は本当に多床室を望んでいるのか」を開催した。

 元厚生労働省老健局総務課長の山崎史郎・内閣府政策統括官(経済財政運営担当)が、「『個室・ユニット』制度化で目指したもの」と題して講演した。
 山崎氏は、特養の設計は病院を参考にしたほか、施設を個人の住まいとは別個のものとしてとらえた結果、4人部屋になったと説明。また、「施設は造ったら30年間は持つ。その30年間ずっと(多床室の形態に)縛られていく」と述べた。
 さらに、「この20年間、多床室はどうやって個人の尊厳を保つかという現場の闘いだった」と指摘。多床室では人間関係のトラブルなどがあり、「結局、4人全員がばらばらに寝ている状態」と述べた。
 山崎氏は、入所待機者の問題は解消しなければならないとした上で、「なるべくたくさんの人を入れるのが効率的という考えが一方であり得ると思うが、その人たちの議論には入所後のことがない」と指摘。また、特養について「そこでずっと暮らしていき、そこで終わっていく場」と述べ、患者の退院を想定する病院と同じような論議はできないとした。

■「茶の間」あっての個室ユニット

 「特養・老健・医療施設ユニットケア研究会」を運営するNPO法人全国コミュニティライフサポートセンターの池田昌弘理事長は、費用が賄えない人は多床室ということでいいのかと疑問を呈した。
 また、特養などの施設に、宅老所をモデルにして「茶の間」や「キッチン」などの暮らしの場を取り込んでみた試みが、ユニットケアだったと説明した。
 ユニットケアを導入し、それまでの特養で50人を十把一絡げ(じっぱひとからげ)に見ていたものが、小規模になることで、高齢者と職員のコミュニケーションがよくなり、「(高齢者は)職員の名前は覚えられなくても『あんたは分かる』となり、職員も利用者の気持ちが少しずつ見えてきた」という。
 池田理事長は、部屋の大きさは違っていても、個室を確保する必要があると言う。その前提として、何より昼間に安心して過ごせる「茶の間」のような場所があれば、特に認知症の人は夜に安心して自分の部屋に戻って行けるといい、「それは認知症の人だけでなく、誰でも同じ」と語る。
 また、個室でなくても、間仕切りをすることなどによって、プライバシーが守られたり、音が気にならなくなったりするなど、個室に近い安心感が得られるのではないかとし、工夫する余地はあるのではないかと語った。


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posted by ソエジマ マサヒロ at 04:19| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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